導入事例(J-CCOREs)

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JX金属株式会社 様

取材日 2019年08月
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JX金属では“先入先出法”に対応しているJ-CCOREsを導入し、各事業で仕組みがバラバラだった棚卸計算システムを共通化。業務品質の向上と効率化を実現しました。

世界有数の銅生産量を誇る非鉄金属の総合メーカーであり、アジアを代表するエネルギー・資源・素材の企業集団JXTGグループの中核を担っているJX金属株式会社(以下、JX金属)は、棚卸計算システムの刷新にあたってJ-CCOREs(ジェー・シー・コアーズ)を導入されました。その経緯と効果について、同社 金属事業部 管理部 主任 田中啓太郎氏(写真左から2番目)、環境リサイクル事業部 管理部 主任 後藤広樹氏(写真中央)、薄膜材料事業部 管理部 主任 渡辺雄樹氏(写真左端)、技術本部 情報システム部 主任技師 喜田佳則氏(写真右端)、JXアイティソリューション株式会社 システム2部 金属システムグループ 大沼好和氏(写真右から2番目)に詳しく伺いました。

導入のポイント

先入先出(FIFO)の必要性
  • FIFOの計算ができる唯一のパッケージ製品
  • 固有の在庫評価計算機能にも、柔軟に対応
  • 原価管理に特化したパッケージであり、棚卸計算の刷新範囲として的確
システム一元化
  • 各事業のシステム統一化を実現
  • 運用業務・保守業務の共通化
  • メンテナンス性向上
シンプルな運用
  • Excel連携がスムーズ、運用負荷軽減
  • シンプルなマスタ管理、容易性
  • 決算作業時間短縮

JX金属の業態

JX金属の事業内容について教えて下さい。

JX金属は、銅のトップメーカーとして、銅をはじめ貴金属やレアメタルの資源開発・製錬と、これらを用いた電子材料の製造からリサイクルまで、グローバルに事業を展開しています。1905年に茨城県の日立鉱山において創業して以来、当社は、社会が必要とする非鉄金属素材を供給することを使命としており、2040年長期ビジョンでは、今後ますます進化する高度情報化社会を支える先端素材、高機能・多機能材料を提案し、社会に新たな価値を創出すること目指しています。従業員数は 2,749名(2019年3月末現在)、売上高は 1兆418億円(連結 2019年3月期)です。

 

J-CCOREsの活用法

JX金属では、J-CCOREsをどのように活用されていますか。

金属、環境リサイクル、電材加工(薄膜材料・機能材料)の2事業部、合計4事業部での棚卸計算に使用しています。J-CCOREsの実際原価計算モジュール、計画原価計算モジュールをベースとして導入、2019年5月に刷新しました。

JX金属で導入した4事業

J-CCOREs導入前の課題

棚卸計算システムを刷新された理由を教えて下さい。

従来の棚卸計算システムは、10年以上前にスクラッチ開発したもので、各事業部で別々に構築したものを稼働させていたため、それぞれ仕様が異なっていました。開発ツールのメーカーサポートも終了しており、機能追加の要望があっても対応ができないといったメンテナンス性もよくない状況で、老朽化していました。合わせて4システム分の保守費用も課題となっていました。

さらに、ある事業部の経理担当者が別事業部の経理部門に転属になった場合、一から操作方法を学び直す必要があり、慣れるまでに時間がかかるという課題もありました。

そこで、環境リサイクル事業部からあげられた棚卸計算システム更新要望を機に、4事業部の棚卸計算システムを共通化することを検討しました。製品検討時にはスクラッチ開発含めて比較し、最終的にJ-CCOREsを採用することにしました。

J-CCOREs導入の理由
~先入先出法に対応し、アドオンで機能追加が可能だった

J-CCOREsを選ばれた理由について教えて下さい。

J-CCOREsは、以下の3つの条件を満たしていたからです。

1."先入先出法"に対応していた

JX金属は、棚卸資産の評価方法に先入先出法(以下、FIFO)を採用しており、FIFO対応は必須でした。製品比較を実施した際、FIFOに標準機能で対応している原価計算パッケージはJ-CCOREsのみでした。選択肢として、FIFOに対応していない製品を導入し、その部分についてはスクラッチ開発で対応することも検討しましたが、費用的に全く見合いませんでした。

2.個別に必要な機能をアドオンで柔軟に対応できた

4事業部の独自性の強い固有機能は、各事業の特有の原価計算を成立させるために必要な機能であり、従来通り生かすことも条件でした。その点、J-CCOREsは事業部が個別で必要とする機能に関しても柔軟なアドオン対応で忠実に再現することが可能でした。

3.既に導入していたグループ会社の評価も高かった

既にJ-CCOREsを導入していたグループ会社から、選定の理由や使い勝手などについてヒアリングを行い、グループ会社内でのJ-CCOREsについての評価が高かったことも選定の後押しになりました。

 田中 啓太郎 氏
「システムの共通化にあたっては帳票の整理、統一も行いました」
田中 啓太郎 氏
喜田 佳則 氏
「各事業部が個別に必要とする機能はアドオンで対応できました」
喜田 佳則 氏

導入効果
~繁忙期の業務負荷が軽減。事業部によっては3~4時間の時短

棚卸計算システムを刷新された効果について教えて下さい。

システムを共通化し刷新したことで、大きく以下の5つの効果が出ています。

1.入力時間と計算時間の短縮

従来のシステムでは、帳票ごとにデータを担当者が手で打ち込んでいました。刷新後は、エクセルから一括インポートができるようになり、月次の入力作業時間が短縮しました。金属事業部と環境リサイクル事業部では各1時間、電材加工の2事業部では合計3~4時間の短縮を実現できています。たとえ10分でも惜しい繁忙期の時短ですので、その効果は数値以上です。システムの計算処理自体も短縮することができています。

2.予測計算機能の全事業での実現と業務品質の向上

既存では一部事業のみで可能であった予測計算機能が全事業部で実現できました。従来のように手作業で計算する必要もなくなり、その作業負荷も減りました。
さらに、データの一括インポートができるようになったことにより、入力ミスなどのヒューマンエラーがなくなり、業務品質も向上しています。

3.チェック時間の短縮

従来は、帳票のPDFを見ながら、手入力したデータの整合性を目視でチェックしていました。現在は、データをエクセルにダウンロードすれば、自動でチェックできる仕組みがあるので、チェックに時間を割く必要がなくなり、正確性もアップしました。

4.データ活用ができるようになった

新システムではデータを簡単にエクセルに抽出できるようになったので、経理としての分析業務や別の計算へ転用するなど、データ活用が容易になりました。

5. 部署異動になっても違和感なく使える

システムが共通化されたことで、別事業部の経理部門に異動になっても、戸惑うことなくスムーズに操作することができます。

棚卸計算システム概要図

棚卸計算システム概要図

 

JFEシステムズのサポート
~担当者は原価計算に詳しく、専門の話も通じる

スムーズに導入するために、どのような工夫をされましたか。

フィットアンドギャップの時点から、各事業部の経理担当者に参加してもらいました。現場の要望をくみ上げ、各事業部が必要とする機能や帳票はできるだけ共通化して盛り込み、コンパクトなシステムに仕上げるようにしました。

アドオン対応した固有機能については、従来通りの計算結果が得られるかどうかを確認するため、運用テストで3か月間、旧システムと並行稼動させることで、売上原価や簿価のずれが無いか突合しました。

JFEシステムズのサポートはいかがでしたか。

JFEシステムズの担当者は原価計算に関して説明せずとも話が通じ、かなり精通していました。おかげで、打ち合わせ時は、特殊な機能について集中した議論ができ、効率よく円滑に進めることができました。システム部門から見ても、経理部門とのやり取りを安心して見ていられました。社内の経理担当者でも理解しづらい計算の仕組みもあるのですが、ブラックボックス化していた機能も上手く整理し、見事に刷新してくれて感謝しています。

運用テストの際も、エラー解析だけでなく計算結果についても細かい部分までチェックしてくれました。こちらからの問い合わせに対するレスポンスも非常に速かったです。

後藤 広樹 氏
「Microsoft Excelとの連携も容易で、データ活用もできるようになりました」
後藤 広樹 氏
渡辺 雄樹 氏
「JFEシステムズは原価計算に詳しく、コミュニケーションもスムーズに取れました」
渡辺 雄樹 氏
大沼 好和 氏
「事業部によって仕様がバラバラだったシステムを共通化し、保守運用も効率化できました」
大沼 好和 氏

今後の取り組みとJFEシステムズへの期待

今後のお取り組みのご予定を教えて下さい。

システム刷新により、入力時間の短縮などのシステム運用の時短を実現できましたが、業務運用を含め、まだ改善の余地はあると考えています。使い勝手も良くして、さらなる効率化を進めていきたいと考えています。

 J-CCOREs、JFEシステムズに対する要望や今後の期待について教えて下さい。

事業部によって、共通マスタ名と実際に使われている呼称が違う項目があります。J-CCOREsのマスタ名を事業部毎に変更できるようにしてもらえると、使い勝手はさらに向上しますので、今後のバージョンアップ時に、検討していただければと思います。

また、現在はJ-CCOREsを理解した担当者で運用していますが、将来的には別の担当者へ引き継いでいくため、マニュアルの整備が重要になると考えています。社内でマニュアル作成をすると用語のずれ等が生じることがあるので、マニュアル整備も個社対応してもらえると助かります。

JX金属では、今回のシステム刷新は始まりだと考えており、より良いシステムにするために改善を続けていくつもりです。JFEシステムズには引き続き、手厚いサポートで私たちを支えてもらえると助かります。今後ともよろしくお願いいたします。

- お忙しい中、貴重なお話しをありがとうございました。

※実績紹介に記載された情報は取材時点のものであり、お客様の社名などが閲覧される時点で変更されている可能性がございますがご了承ください。

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