導入事例(J-CCOREs)

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イソライト工業株式会社 様

取材日 2018年12月
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プロセス製造との相性の良さが決め手になり「J-CCOREs」を導入しました。プロセス製造業特有の複雑な工程を経た製品の原価管理も正確・迅速に行えるようになりました。

イソライト工業株式会社(以下、イソライト工業) 情報システム室長 水口 政浩氏、情報システム室 主任部員(課長)石垣 新一氏にJ-CCOREsを導入した経緯とその効果について詳しく聞きました。

導入のポイント

原価計算システムの早期稼働
  • 最小限のカスタマイズで短期導入・稼働(約半年での立ち上げ)
  • プロトタイプ計算により実現イメージを早期に可視化
疎結合による柔軟性の確保
  • 生産管理システムとは別の管理粒度(加工機→工程分類)で原価計算を実現
  • 原価管理専用のマスタでメンテナンス負荷を軽減
  • 強力なExcel取込・連携機能の活用により、柔軟な運用形態と業務効率化を実現
実態に即した正確なコストの把握
  • 製品グループ別の原価把握から、実際受払に基づいた工程・品目別の実際原価把握へ
  • 制度会計と管理会計を一体で実現
多角的な採算分析の実現
  • 経営情報の共有化、経営判断指標のタイムリーな提供
  • 製品・セグメント・級・取引先別など多角的な収益分析の実現

イソライト工業について

イソライト工業は「耐火断熱」技術を主軸に事業展開している産業部材メーカーです。数千度の高熱となる工業炉の内部で使われるセラミックファイバーでは、国内トップシェア。また従来のアスベストを代替する、人体に無害な耐火断熱ファイバーの需要も増えており、営業利益は2015年から3期連続で最高益を更新しています。年商168億円、従業員数649名(グループ)、創立1927年(昭和2年)。

社屋外観

国内工場の原価管理にJ-CCOREsを活用

イソライト工業の製品概況と、J-CCOREsの活用概況を教えてください。

イソライト工業の主製品である「耐火断熱部材」は、「基本形態(レンガ系か、繊維系か)」、「耐火断熱性能」、「密度(重量)」など仕様に基づき、約70種類の製品グループに大別されます。製品の原価状況は、このグループ別に管理します。

製造形態は、大きくは「プロセス製造」です。レンガ系の製品は、珪藻土や粘土など基本原料を加工・焼成してつくります。繊維系の製品では、アルミナなど原料を高熱で熔解し、繊維形状に仕上げます。

いずれの場合も最終製品に至るまでのあいだ、半製品としてのプロセスを何層も経ることになります。半製品Aと半製品Bから作られたものを、半製品Cとして管理するようなことも珍しくありません。

J-CCOREsは国内工場での原価管理に活用しています。生産管理や購買管理など各システムからJ-CCOREsでデータを吸い上げ、原価分析を行い、その結果を経営層、製造部門、営業部門が閲覧しています。

製品写真

 

J-CCOREs導入前の課題

J-CCOREs導入前の課題について教えてください。

弊社特有の事情として、「原価計算手順と損益管理の標準化への対応」がありました。

まず、高度経済成長のころの弊社は「少品種大量生産」という業態であり、原価計算もシンプルでした。しかし時代が進むにつれ、弊社の顧客である製造業が、幅広く多種類の製品を作るようになり、それにつれて弊社への注文、要請も細かくなりました。

産業部材メーカーとして、このニーズにきめ細かく対応するため、弊社側の商品アイテム数は増加の一途をたどりました。そのような環境下で、弊社国内2工場は取り扱う品種が異なるため、原価計算も各工場独自の手順で次第に複雑化していきました。

また、販売管理と原価管理のコード体系とグループ体系が異なっていたため、損益分析の度に読み替えの手順が発生していました。それに加えて、案件ごとの損益計算には更に時間を要していました。

これ以外にも、次のような課題がありました。

  • 計画原価と実際原価の差異分析(損益検討)の適切な実施
  • 工場決算業務の日程短縮化

これらを解決するべく、2014年に原価計算システムを刷新することを決めました。まずはインターネット検索、取引先の紹介などを通じ、J-CCOREsを含む数製品を候補に挙げ、それらを社内で比較検討しました。

製品写真

製品検討の比較基準

どのような基準で比較検討されたのでしょうか。

新たに導入する原価計算システムに対し、求めた要件は次のとおりです。

要件1.「原価計算システムとしての基礎機能」

原価計算システムに求められる基礎機能、仕様をあまねく備えていることを求めました。

要件2.「プロセス製造への適合性」

新たに導入する原価計算システムは、弊社の製造形態である「プロセス製造」に適合したものであるべきと考えました。

この点でJ-CCOREsは、カタログを見ただけで、「これはプロセス製造向きだ」と直感できました。ものの考え方、使っている言葉が、どこを読んでもしっくりきます。「ころがし原価計算」の記述ひとつとっても、「確かにウチでも同じ考え方をする!」と納得できる内容で、これなら要件定義や仕様設計も「同じ言葉を使って話せそう」だと思えました。

JFEシステムズによれば、J-CCOREsはJFEスチールの原価計算の考え方に基づいて作られている、とのことでした。ならば「プロセス製造」に向いたシステムであるのも納得です。この「プロセス製造との相性の良さ」が、他と比較したときのJ-CCOREsの最大の優位点でした。

要件3.「他システムに対し、疎結合であること」

原価計算システムは、「生産管理システムの更新の影響を受けないよう、『独立させて』運用する」という方針でした。したがって新たに導入する原価計算システムは、他システムに対し「疎結合であること」が必要でした。

要件4.「インターフェースの分かりやすさ」

原価計算システムは、主に経理部門が直接ユーザーになります。直感的に使える分かりやすいユーザーインターフェースであることを求めました。

要件5.「十分な実績、価格の合理性」

多くの製造業で十分な導入実績があり、かつ合理的な価格であることを求めました。

上記の基準で候補製品を比較検討したところ、J-CCOREsがイソライト工業の求める要件を最もよく満たしていたので、これに決定しました。2015年9月より構築を開始し、2016年4月には本稼働に至りました。

石垣 新一 氏
「プロトタイプ実機を操作して、弊社業務要件に対して高い適合性があることも要件定義前に確認していました」
石垣 新一 氏
水口 政浩 氏
「経営層、工場、営業それぞれで以前に比べて“原価”を見る目が高まり、データの利用度も高まっています」
水口 政浩 氏

 

J-CCOREsへの評価、導入効果

現在のJ-CCOREsへの評価について教えてください。

まず定量的な効果としては、原価管理に要する事前準備工数が従来の「(ひと月あたり)3人日」から「1人日」に大幅短縮されました。

また「原価や損益の分析や異常値の原因特定が正確・迅速に行えるようになった」という効果も上がっています。従来は、製品グループ別の原価レポートを見て、原価の異常値を見つけた場合でも、「では、その異常値は製造プロセスのどこで生じたのか?」という詳細までトラッキングするのはきわめて困難でした。J-CCOREsでは、データをドリルダウンすれば、各種工程の原価を把握することができ、異常値の要因箇所を発見できるようになりました。また損益の分析については、様々なメッシュでデータを抽出することができ、分析の精度が向上しました。

システム概要図

システム概要図

先行ユーザーとしてのアドバイス

原価計算システムの導入を検討している企業に向けて「先行ユーザーとしてのアドバイス」などあればお聞かせください。

システム導入のときは「要件定義の段階から、各部門のキーマンを巻き込む」のが重要です。そこを省略すると、システム構築が相当に進んだ段階になってから、「やっぱりあの数字も入れたい」「この分析も必要」などの意見が出るからです。これを防ぐには、要件定義の段階から積極的に意見を出してもらう必要があります。

今後のJFEシステムズに対する期待

 JFEシステムズへの今後の期待をお聞かせください。

イソライト工業は、今後もより優れた耐火断熱素材を開発・製造することを通じ、社会に貢献していく所存です。JFEシステムズにはそうした弊社の取り組みを、優れた製品、提案、サポートを通じて後方支援いただくことを希望いたします。今後ともよろしくお願いします。

- お忙しい中、貴重なお話しをありがとうございました。

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